頸動脈狭窄症に対する脳血管内治療
頚動脈ステント留置術
頚動脈狭窄症は脳梗塞の原因となります。以前は、欧米人に多い疾患とされてきましたが、食生活の欧米化により増加傾向にあり、また検査機器技術の向上により発見されやすくなったこと等から、非常に注目されています。狭窄が軽度の場合、内科的治療で脳梗塞の発症を防ぎますが、狭窄が高度である場合は外科的治療が必要となります。脳血管内治療では、細くなった頸動脈をバルーン(風船状の器具)で拡張させ、ステントとよばれる金属製の筒を留置する「頚動脈ステント留置術」が行われます。
通常は局所麻酔で施行され、手術時間は40分程度です。全身への侵襲が少ないため高齢者、合併症で全身麻酔が困難な患者さん、手術では治療が困難な患者さんなどにも施行可能です。しかし、頚動脈ステント留置術は、カテーテル治療特有の難しさがあります。狭窄性病変の位置や性状、年齢、持病などをよく検討し治療方針を検討することが重要です。