医療保険と介護保険の使い分けについて

医療保険と介護保険のイメージイラスト
普段、介護保険サービスを利用するにあたり、日頃感じる疑問について居宅介護支援事業所より私たちケアマネージャーからお伝えします。
今回は公的医療保険と公的介護保険を使うときの、2種類の保証を使い分けるコツ、併用が認められているのかについてご紹介します。
みなさんが使われる介護認定を受けたサービスの中に、訪問看護とリハビリを利用する場合があります。そこで、医療保険と介護保険のどちらが優先されるのかについてご説明します。

訪問看護について

医療保険では年齢に制限なく訪問看護を利用できますが、65歳以上で介護保険を利用される方でも、医療保険が適応になる場合があります。またその他、がん末期や人工呼吸器の方、毎日処置が必要な深い床ずれの方も対象になります。そもそも訪問看護を利用する時は、訪問看護指示書を主治医から出されサービスが開始となります。原則として介護保険が優先されますが、訪問看護で医療保険が優先されるのは医療目的と認められた場合となります。
利用回数については、訪問回数は原則週に3回までとなりますが、急性憎悪時やがん末期、重度の褥瘡など頻繁な回数の訪問看護が必要と主治医が判断した場合は、特別訪問看護指示書が発行され、週4回以上の訪問ができます(ただし、特別訪問看護指示書は14日間有効です)。
更に特別訪問看護指示書を発行してもらうことで、1週間から2週間の間は多めの訪問看護を利用でき、退院当日からもサービスを利用できるので、退院直後でも在宅生活を送ることができます。
但し訪問看護での医療保険・介護保険の併用に関しては、様々な決まりがあり、主に統合失調症などの精神疾患がある場合、併用可能となっています。

リハビリについて

続いて、『リハビリ』についてです。リハビリ(訪問リハビリ・通所リハビリ)の際の医療保険と介護保険の優先順位は、リハビリの目的が病気の治療にあるかどうかで変わります。医療機関で病気の治療や症状の回復が目的で行われるリハビリは原則として医療保険が適応されます。
逆にリハビリが病気の治療の沿線上にない場合は、原則として介護保険が適応されます。

2種類の保険を併用するには?

では、2種類の保険を併用するにはどうすればいいのか。結論から言うと、原則介護保険と医療保険の併用は認められていません。
同一の診断名では2種類の保険の併用は出来ませんが、別の診断名としてリハビリや介護を受ける場合には併用が認められることがあります。また、同じ月に医療介護の2種類の保険の併用はできませんが、どちらかの保険が終了して一ヶ月が経過すれば別の保障が認められるのです。

お気軽にお聞きください

以上のように、介護保険、医療保険のサービスを上手に利用できる方法はいくつかの方法があります。サービスをお考えの場合は、担当のケアマネージャー、リハビリ担当、お近くの訪問看護ステーションの各事業所までお気軽にお聞きください。